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任意売却が残債処理で選ばれる4つのメリット
ここでは、任意売却を選ぶ4つのメリットについて解説しましょう。
①競売より高く売却できる可能性がある
競売での売却価格は市場価格の50~70%程度で取引されるのが一般的で、かなり安く買いたたかれてしまうのがデメリットです。競売物件は一般的な取引と違い、契約後、物件に不具合があったとしても、契約解除や代金減額などは適用されません。リスクが大きいため、通常の取引より安い価格となります。
その点、任意売却は自由に金額を設定して売却活動を行えるため、市場価格に近い金額で取引できる可能性が高いといえます。交渉次第では市場価格より高目の金額で売却できるので、住宅ローンの残債を大きく減らすことも可能です。
②プライバシーが守られる
任意売却を選ぶと、プライバシーが守られるのも良い点です。
競売にかかってしまうと自宅の情報がインターネットで公開されてしまい、家の外観や内観の写真、住所などが不特定多数の人に知られてしまいます。新聞に掲載されることもあるため、ご近所の人や知り合いに「競売にかかっている家」ということが広まる可能性も少なくありません。「競売=住宅ローンの滞納」という事実がわかってしまうので、知られたくないプライバシーが漏れてしまうのがデメリットです。任意売却ならば、売却することが表に出ることはないので、プライバシーを守れます。
③経済状況に合った返済ができる
任意売却をしたからといって、返済額がゼロになるというわけではありません。
売却価格がローンの残債を下回っている「オーバーローン」の場合には、残ったローンを返済していくことが必要です。
しかし、金融機関と話し合いをすることにより、残ったローンを無理のない返済額で返していけるようになります。残債は毎月分割で返済していくことになりますが、自宅を任意売却するため残債を大きく減らせますから、以前より月々の返済額は少なくなるでしょう。現実的に返済をしていくことが可能です。
④売却時に発生する費用の負担が少ない
不動産を売却するときには、不動産会社に支払う仲介手数料や司法書士に支払う報酬、印紙税などさまざまな費用がかかりますが、任意売却を選んだ場合は売却時に発生する費用の負担がありません。
原則、家を売却する人が負担する費用は、任意売却業者が売却価格でまかなうため、自分で現金を用意する必要はないのです。交渉次第では、引っ越し代なども出してくれる場合もあるため、新しい生活のスタートを切りやすいといえます。
任意売却の流れ

- 無料相談
- 現状分析
- 媒介依頼
- 不動産鑑定
- 債務者との交渉
- 不動産売買契約
- 抵当権の抹消
- 新しい生活をスタート
任意売却後の残債に関する注意点
任意売却後の残債に関する注意点は以下の通りです。
- 分割返済の目安は月1~3万円
- 一括返済を求められることがある
- サービサーに債権譲渡されることもある
- 連帯保証人も支払い義務が残る
- 残債を払わないと給与などが差し押さえになる
たいていのケースでは、任意売却後の残債は分割で返済することを了承してもらえます。その場合、債務者の状況によっても異なりますが毎月1~3万円程度が多いようです。ただし、金融機関によっては一括返済を求められることもあるため、交渉次第といえるでしょう。
また、サービサー(債権回収会社)に住宅ローンの債権が譲渡されることもあります。サービサーは金融庁から認可を受けた会社なので、取り立てまがいの手荒な方法はしませんからご安心ください。
連帯保証人は残念ですが、そのまま保証人としての債務が残るため、債務者が滞納した場合は支払い義務が発生します。債務者は残債を支払わないと、給与などが差し押さえ対象となるため注意しましょう。